お姫様のレシピ(高宮智/小学館 ちゃおフラワーコミックス)についての本題

 別に、本当に《「オレは少女漫画だ!」と大声で自己主張している》ってわけじゃない。断じて。そんなメタ的な作品ではない。これはうがちすぎというかなんというかで、要するに前掲の条件を満たしているフツーのちゃおのマンガであるというだけのことに過ぎない。そういうわけなんで、マンガに対する要求水準の高いハリーが読めなかったのも、まあ、無理はあるまい。
 特に表題作「お姫様のレシピ」は収録作品中、もっとも対立/葛藤要素が弱い(恋愛エンジンしかない少女漫画では、ストーリー重視な立場からはかなり弱点だ)んでなおさらだし。もっとも、このあたりの「騎士と魔法使い」の構造が初連載の方に引き継がれているので、そういうメタ的には面白いけれども。
 全然関係ないが、自分がこの作品集で一番好きなのはデビュー作の「天使墜落」なのだが、どこらが好きなのか説明するのが難しいので、たぶんおおばやしみゆきファンとしての自分じゃなくて、「ちゃお」のほぼ全作品楽しんで読める少女漫画読みとしての自分が好いているんだろう、たぶん。