今日の軍事研究

 http://d.hatena.ne.jp/mobanama/20070710#p1を読んだので、高井さんの記事をだらだら読み直してみる。「核爆発災害」読んだ直後だったから違和感感じたのかな、とか思ったけど、そういうのとあまり関係ない部分でも自分の知ってる核戦略スタンダードから逸脱しているので、これは駄目だと思った。
 というか、「核の傘」と言う語を単純な核攻撃能力の意味で使っていたり*1で、そのレベルからこれはどうだろって感じだし。
 まあ最大の謎は記事のタイトルが「日本の自前核兵器整備の徹底研究」になってるのに中身は(政治・外交問題を一切無視して)先制核攻撃を行うための戦力建設と攻撃の結果の分析に堕していることだけど。
 もっとも、自衛隊で核攻撃の技術的な細部を各所から正確な情報集めて分析・検討することが許容されていた可能性は皆無だと思うし、つまりは日本の核武装研究がそういう水準に留まっているということの証明だと解釈するべきだろうけど。
 どのみち、政治・外交問題を捨象しても、この問題を真面目に検討したら記事の1本で収まるようなものとも思えない*2ので、特にどうこうは感じないが。

*1:あまりにも気になったんで「Nuclear Umbrella」をdictionary.comで検索したが、やっぱり普通に「the nuclear weapons of one country seen as protection for its allies」って意味だった

*2:たぶん、どういう核戦力が日本に必要なのかを検討する段階で「先制攻撃を可能にする場合」と「純然たる報復戦力用」の2パターンが必要になるのでこの時点で記事が倍加する。報復戦力として整備する場合には先制攻撃食らっても稼働する指揮統制システムが必要なんでそのあたりの検討も必須。あと、本気で潜水艦から硬目標叩くのであればGPSか何か、それに類する手段が必要なのも明白でそれを自前で整備するか否かとかも要検討