今日のエルラン

この前*1の続き。
 とりあえず史料調査をしてみる。
 裏切る動機が何か考えるには、エルランがどういう人物か考えなくてはならない。まあ安彦版漫画は他作品とは違っている部分が多すぎるので、とりあえず考慮対象から除外。
 となるとエルランが登場するのはテレビの22話から25話まで。
 どういうポジションの軍人かは分からないが、

マ 「ミスター・ジュダック、エルラン少将に伝えたまえ」
ジュダック 「は?」
マ 「明日一日、東ヨーロッパ戦線に配備した連邦軍の動きを極力押さえるように、と」
ジュダック 「わ、わかりました」

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words22_Gundam.html

 となっているのから考えると、相当に大きな権限を持っているように見える。やはり単なる一軍の将ではなく、レビルの代理として欧州に先乗りしている(レビルの欧州基地到着は23話。エルランが「中将」と呼ばれるようになるのも23話)と見るべきか。
 TV版の台詞をすべて史実だとして解釈して、足りないところを想像でフォローして書き出すとこんな感じか?

  1. レビル将軍オデッサ作戦の立案を決意
  2. エルラン少将が参謀長として立案の実務を統括
  3. エルランが欧州基地に先乗りして欧州全域の連邦軍の作戦準備を事実上指揮(〜22話)
  4. レビルがオデッサ作戦の総司令官として欧州基地に着任、同時にエルランも中将に昇格(23話)
  5. レビルが着任した司令部で、引き続き作戦準備を切り回す(24話)
  6. エルランがレビルの司令部を離れて、攻撃軍を一翼を率いる立場となる(24話の終了後?)
  7. スパイ行為が発覚して逮捕される(25話)

 「レビルの代理」としているのは多少の飛躍はあるかもしれないが、台詞から分析しておくとこのラインは揺るがないように見える。
 表面上、エルランが裏切る動機は何もないように見える。昇進したばかりだし、オデッサが成功すればその功績の第一が実務を仕切っていたエルランにあるのも衆目の一致するところだろう。
 作戦直前になって前線司令部の転属になるのはどうかという気はするが、例えばこれがレビルの差し金での降格配置で、とか考えたとしても、やはり連邦軍を裏切る動機にはならない。タイミングのつじつまも合わないし。そもそも参謀長から前線の軍司令官というのが昇進か降格かははっきりしないってのもある。ただまあ、直前に中将に昇進しているから、これは軍司令官への就任が内定していたから、と考える方が適正な気はする。であれば、やはり昇進であると解するべきだろう。
 野心面から裏切る動機はなさそうだ、と結論できそう。